「京極堂」について

 京極夏彦氏の小説に、「京極堂」と呼ばれる人物の登場する作品群がある。「京極堂シリーズ」などと呼ばれるそれには、私の言うところの「チョコレートの苦味ようなもの」が混じっているように思う。同シリーズにおけるそれは、結構な高純度で読者に突き付けられているが、それを超えるものによって覆い隠され、結果としてそれ自体が注目を集めることはあまりない*1

 食べ物繋がりで別の例えをすれば、「暴君ハバネロ」に似ている。あの菓子は強烈(らしい)な辛味によって、かなり強烈な塩味が隠されている。その為、辛味によって麻痺した舌でも塩味のうまみを感じ取ることができるのだが、辛味に舌を奪われなければ*2強烈に塩辛い菓子である。

 さらに言い方を変えれば、オカルトっぽい演出を散りばめた小説で、実は本当にオカルトな代物、それが京極堂シリーズであるように思う。

  1. 私の周囲が偏っているだけかもしれないが。[本文へ]
  2. 何かが物凄く間違ってる表現な気がする。[本文へ]